院長の部屋

2013年元旦の八ヶ岳『硫黄岳』登頂記

2012年12月31日~2013年1月2日の年越し、

2泊3日で単独冬山に初挑戦した。

八ヶ岳『硫黄岳』

その時の様子を書いてみようと思います。

 

20130101硫黄岳  1.JPG

山小屋『赤岳鉱泉』までの山行はとても快適で、アイゼンの雪に刺さる音が心地よかった。

昼過ぎに『赤岳鉱泉』到着。

途中で『ニホンカモシカ』と遭遇したりもしました。

20130101硫黄岳15.jpgこの日は山頂は目指さず、山小屋から『中山乗越』という見晴らし台のところまで、

初めて使うピッケルを試すために登りました。

20130101硫黄岳  3.JPG↑↑中山乗越からの八ヶ岳最高峰『赤岳』です。

いつか登ろうと思います。

硫黄岳は2013年1月2日の午前中に登りました。

以下、『硫黄岳』山頂アタックの様子。

 

20130101硫黄岳  9.JPGこれは、赤岩の頭の道標。
視界は10mくらい、今考えると引き返すべきだったとおもう。
ここで地図を見て、考えた。
その時、硫黄岳から一人で降りて来るオッチャンとすれ違った。『山頂はここより風もキツイ、トレース(足跡)も見失った、コンパスたよりにここまで来た。行くなら気をつけて。』とまつ毛にツララを付けて言っていた。
いろんな葛藤があった。

山頂から来た人がいる。コンパスがあればもどれる、コンパスはある。僕の前に三人パーティーが行っている。この先鎖場はない。身体の痛い所はない。積雪20cmくらい。。。。

いける所まで行ってみよう。
前進した。
途中、引き返す三人パーティーとすれ違った。娘2人とお父さんのパーティーだった。娘のための下山決断だったのだろう。すばらしい判断だと思う。

20130101硫黄岳16.JPGいく度か突風もあり、何回かDVDで見た耐風姿勢をとってやり過ごしながら前進した。『冬の八ヶ岳』というDVDに感謝である。

最難関は、左側は壁、幅60cmの道、右は崖(視界悪く深さは分からない)の距離15mだった。
トレースもある、確信は無いけど、この先に山頂はあるはず、行ってみよう。
ピッケルを思いっ切り刺し、右足を足場確かめながら出す、左足を足場確かめながら出す、ピッケルを思いっ切り刺し、右足を足場確かめながら出す,左足を......。一歩に五秒。二点は踏んでるように、常に片足一本でなく二点で身体を支えることにつとめた。
ピッケルを買って持って行ってよかった。この時そう思った。樹林帯を登る時は杖としてのピッケルは短い、使い方も分からん、みんなが持ってるから、カッコ的にもっていた。が、この時は、トレッキングポールでは無理、ピッケルがあってよかった。
ゆっくり15mを通過すると道標があった。道も合っている。安心した。

20130101硫黄岳  10.JPGそこから、突風を受けながら、なんとなくの道なりに進んで山頂に着いた。
『二七六0m硫黄岳』と書いてある標識を見た時は、本当に嬉しかった。

山頂で得意のエスプレッソコーヒーを淹れようと準備はしてたが、ブリサードのなか立っているだけで精一杯だったので写真撮って下山した。

 登りより下りの方が苦労した。
登りはどう進んでも進むにつれて選択しは減る、下りは進むにつれて選択しが増える、トーナメント戦の表のような感じだろうか、山道が不確定な広い尾根のところでそう感じた。よく「下りの方が遭難率が高い」と言われるのはこういう事なのだろう。

20130101硫黄岳  11.JPG実は、僕も下りで迷った。
山頂を3分で下山開始。
この時髭のツララは5mm。

自分の登ってきた時のトレースを頼りに進む。
山頂近くにはいくつか建物があったのでそれらも目印にすることができた。建物と言っても何かブルーシートで覆われてるものや、小さい物置きくらいで、小屋ではなかった。
山頂から最難関までは、突風が吹いていてゆっくりだが迷わず来れた。
幅60cmの最難関は 『行きよりも慎重に!』 と口に出して言いながら緊張して進んだが、行きよりもスムーズな感じだったのが不思議だった。

ここからの下りが苦労した。まず、トレースがない。たまに、自分のか誰かのか分からないけど足跡を見つけるたびに 『よし!あってる!あってる!』 と声を出してよろこんでた。
森林限界なので高い木はない。しかもハイマツは有るのだろうが雪に覆われて一面広いゲレンデ状態、雪のしたが山道なら踏んでも沈まないが、雪のしたがハイマツなら膝までズボッと沈む。
なんとなくは分かるので硬そうな所を選んで進んだ、ズボッといっては戻り硬い所を探しながら進んだ。

ある所で、前も右も左もズボッといった。戻ろうと後ろを見ると、見覚えの無い岩、

『ん?どっちから来たっけ?』

20130101硫黄岳14.jpg視界を広く周りを見渡したが真っ白。コンパスを出し、ビニールのカードケースに入れた山頂直下の地図も出し進行方向を確認してみたら前方が赤岩の頭である。現在地が微妙なので距離は分からない。しかし前方は明らかにハイマツゾーンである。

『これって遭難?プチ遭難かな。あら、あら、どうしよっかな〜。』  とつぶやく。

『山ってカコク〜。風キツイ〜。ブリサード〜。(昔持ってたスキー板がブリサードっていうメーカーだったな、と思い出した)』

『なめてた〜。周り真っ白〜。白、白、白い〜。さて、どうしますかね。』

と、ふざけた口調で言いながら、白い遠くをみて見ると、右斜め前方20mに何や黒い棒が見えた。目を凝らして

『あれはもしや道標⁈』

その方向の一歩先はハイマツだが、 『行くしかないっしょ。』 と前進決定。

ズボッズボッと前進。太ももまで沈む所もありながら前進。無心で前進。15mくらいズボズボと行ったところで硬い所に出てプチ安心、そのまま、黒い棒目指して前進し、黒い棒にたどり着く。黒い棒には、
〈←赤岩の頭 † 山頂→〉
と書いてある道標だった。

『オーッケー!ヨーシ!カエレルー!』

と叫んだ覚えがある。
そこからは、しっかりとしたトレースを頼りに、赤岩の頭までたどりついた。

赤岩の頭で突風にさらされながらも、しばし安堵のボーット状態でいると、青年一人で登ってきた。
青年が「山頂から下りてきたんですか?この先どうですか?」と聞くので、
『山頂には行けたけど、上に行くほど風もきつくなる。トレースも分かりづらい。コンパスと地図でここまで来れた。』と言ったら、
「GPS持ってます!無しで行ったんですか?」とGPSを見せながら驚き顔で言っていた。
そんなものが山グッズにあるんだ、と思いながら、 『行くなら気をつけて!』 と見送った。

20130101硫黄岳  12.JPG赤岩の頭から下は樹林帯に入る。樹林帯に入ったら風もない。少し下った所でやっと休憩が出来た。
この時髭のツララが3cmになっていた。写真に撮った後タオルで顔をぬぐった。

その後は、アイゼンは着けているが滑るように下れるので、思った以上に早く赤岳鉱泉に着く事が出来た。
赤岳鉱泉の外だけど屋根の有る所でお湯を沸かし、即席パスタとインスタントラーメンを食べた。

最高に、うまかった。

 

20130101硫黄岳  5.JPG

冬山は危険もご褒美も色々詰ってますね。

次は、どこ登りに行こうかな。。。

のさっく

 

 

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